【イラストエッセイ】のり子、不思議な道を見つける。

2018年9月12日イラストエッセイ, 幼少期

幼少時、遊び場と言えば山だった。

 

家の近くには、大人の足で10分も階段を上ればすぐ頂上につく小さな山があって、そこはベンチだけしか置いていない小さな広場と遊歩道だけしかなかった。

 

特別、景色がいいわけでも、過ごしやすい場所だったわけでもなかったから大人が頂上まで上ってくることはすごく稀。私と友達の他に子供の姿を見たことはなかった気もする。

 

一緒に山に行くメンバーはだいたい決まっていて、私と近くに住む姉妹の3人だ。

そして私たちの山の遊び方といえば、山頂で遊ぶわけではなく……、

 

山を登ることそのもの。

 

あえて階段は使わない。登るルートは、一切整備されていないただの急斜面。あえて困難な道を進むのが、最高に楽しいのだ。

 

90度に近い角度の崖も何のその。岩を掴み木の根を掴み、足を踏み外せば絶対に命を落とすであろう斜面を登り、落ち葉に埋もれた場所に出ればヘビが出ないかと慎重に歩を進める。

 

登る場所はまちまちで、今日は北側、今日は南側と足場を見つければそこから登頂スタートだ。

 

その日は、山のふもとにある神社の裏の崖からスタートした。

そのルートもけっこうな急斜面で、途中で落ち葉に足を取られて滑り落ちそうになること数回。

 

このルートはちょっと危なすぎるかなーと思っていたところで、変なものを見つけた。

 

なに……これ……?

 

それは枝だった。

地面から伸びた木の枝がてっぺんで絡み合って、アーチを作っていたのだ。

 

アーチなので、中は空洞。長さは1メートルちょっと。子供がほふく前進してようやく通れるくらいの狭さと小ささだった。

 

友達と「なんだろうね、これ?」と話し合うも、初めて見る物体なのですぐに答えが出てこない。

 

3人で話し合った結果、

「これはヘビが通った道だ!」

という無茶苦茶な答えを導き出した。

 

命名、ヘビの道。

 

どんだけでかいヘビなんだと今ならツッコミたくなるが、その時は本気でヘビの道だと信じていた。

そして辺りにヘビがいないことを確認し、ヘビの道をほふく前進で通ってみることに。

 

うつ伏せでヘビの道内部に入ると、

 

枝の間から木漏れ日が。

 

とても綺麗な光景だった。

これはいい道を見つけた! と友達とはしゃぎながら山頂に到着。

 

3人で、「私たちはここから登ってきたんだよ!」とルートを確認し(覚えておかないと、ルートは毎回変わるのですぐ忘れちゃうから)、またあのヘビの道を通ろう! と約束した。

 

だが、それからしばらくしてそのルートを通って山に登ったのだが、ヘビの道はなくなっていた。

地面から生えて絡み合った枝のアーチはすごく頑丈そうに見えたのに、跡形もなくなっていた。

 

なんで? なんで? と不思議に思ったが、そこは子供。ヘビが通らなくなったからなくなったんだな、と思い直して、ヘビの道のことはすぐに諦めた。

 

結局、あの道はいったい何だったんだろう。今でも不思議。

その山は他にも不思議なことがよく起こっていたので、また別の機会に描こうと思う。

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