【イラストエッセイ】のり子、人を呪わば穴二つ

2018年9月12日イラストエッセイ, 10代

小学校のころ。

 

口の中に異物感があったので、吐き出してみた。

 

乳歯が抜けて手に転がり落ちた。

 

ここ1週間ほど、ずーっとグラグラしていた歯だった。

 

全然抜ける気がせず、最悪、糸でも巻いて引っ張り抜こうとしていたところだったので、ぽろっと出てくてくれてスッキリ。

 

せっかくなので、母に見せに行くことにした。

 

 

米を研いでいる母の元に走る私。

 

手を開いた瞬間、転がり落ちる歯。

 

そのまま、炊飯釜の中へ……。

 

 

米=白
歯=白

 

白の中に白。

 

もうすでに、どこに消えたかわからなくなってしまった。

 

どうしよう……。この星の数ほどある米の中から、歯を見つけ出せるんだろうか。

 

ボンヤリ考えていた私に、母はニッコリ笑って、

 

「食べれば出てくるから!」とそのまま炊き始めた。

 

えっ……歯を炊くの……? しかもその歯、洗ってないのに……?

 

そして歯を炊いた後の、その歯の行き先は誰にもわからない。ロシアンルーレットじゃないか。

 

・・・・・・・・。

 

面白いじゃないか。

 

お姉ちゃんに行ったら面白いのに。

このまえお姉ちゃんに私のヨーグルト取られちゃったからね。これで歯がお姉ちゃんのとこに行っても、それは天罰ってもんだよ。

 

グシシ。

 

お姉ちゃんのところに行かないかなあ。それでお姉ちゃんがガリッなって痛がったら面白いのにグシシ。

 

その夜。

 

痛い……。

 

米は5合も炊いてたのに、なぜピンポイントで私のところに戻ってくるんだ。

 

歯は炊いても柔らかくならなかった。さすがに歯は強いわ。

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